マンション管理
『超高層マンションのコミュニティのかたち』
▼2007年(平成19年)9月21日日本経済新聞
「あしたの家計 イエコノミー」より
「都市化で痛んだコミュニティ再生の切り札として、総務省も急拡大するSNSの研究に乗り出した。」
「SNSは、地域と家計をつなぐ現代版回覧板」
「未来の日本は多様な個の集まり。必要なときに必要な人と部分連合する。」
▼平成22年11月4日(木)日経新聞朝刊【春秋】より
反・大きな政府を掲げる「茶会党(ティーパーティー)」がアメリカの中間選挙の結果を
大きく左右した。
ネットで情報を共有する「平等感覚」が茶会党の背を押した。
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2009年マンション学会大阪大会で、超高層マンションのコミュニティ形成の事例紹介を『契約から入居までの3年の間に、SNSを通じたコミュニティが形成されていた』と 紹介しましたが、まさに小さなパーティーが幾つも平等に重なり合って全体を形成していた。
トピックスは、
①内覧会に参加して
②インテリアオプションについて
③住宅ローンについて
④幼稚園、小学校について
⑤引越しの時期について
⑥おやじ同盟
⑦駐車場の台数について
⑧共用施設について
⑨近所の飲食店
⑩ペットのおしっこ
⑪最新の当マンション建設現場
⑫当マンションが登場するテレビ
などなどで100以上となり、グループ相互がゆるやかに
繋がっている状態であった。
研究者の間で現代のコミュニティを、「SNSは現代版回覧板」または「多様な個の集まり」
と分析しているとおり、TTTのSNSコミュニティも、小さなパーティーが網の目のように
繋がって個々には平等であるとの意識が存在している。
一方、行政の統括する町会、自治会は、江戸時代から戦中を通じて庶民を統治してきたピラミッド
型の地域コミュニティであるため、インターネットを通じて個と個がフラットにつながるSNSの
ようなコミュニティに馴染んでいる現代人は、町会や自治会になじまないのは当然であろう。
当マンションでは、グループコミュニティ(GC)と名づけられたサークルの集合体がある。
GCには現在約800名の登録があり、今年11月3日には管理組合の支援のもと、
“GC文化祭”と称して各サークルの発表会を行った。
GCの形は、SNSそのものである。
インターネット上のSNSの結びつきをマンションという限られた空間の中で実体験をしているのだ。
このGC活動が成功することは、未来の日本の地域コミュニティのあり方を指し示していると
考える。