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木造住宅の新耐震規準と耐震診断について
■大地震の被害と建築基準法の改正
1978年(昭和53年)の宮城県沖地震の後、1981年(昭和56年)に建築基準法が改正され、新耐震規準が誕生しました。その後、1995年(平成7年)の阪神淡路大震災が発生し、死者6400人、住宅の全壊10万6千戸もの被害がありました。全壊した住宅のほとんどが木造住宅でした。
その後、2000年(平成12年)に建築基準法が改正され、昭和56年の新耐震規準が強化されました。
2000年の新耐震規準で建物の耐震評価を行うと、旧耐震規準によって建てられた建物は評点0.5(倒壊する可能性が高い)、昭和56年耐震規準によって建てられた建物は、評点0.91(倒壊する可能性がある)、2000年の強化された新耐震規準によって建てられた建物は、評点1.16(一応倒壊しない)となります。
評 点 | 判 定 |
1.5以上 | 倒壊しない |
1.0以上~1.5未満 | 一応倒壊しない |
0.7以上~1.0未満 | 倒壊する可能性がある |
0.7未満 | 倒壊する可能性が高い |
■耐震診断
耐震診断では、建物の以下の部分を調査し、診断をします。- 外部調査
・地盤
・地形
・基礎(鉄筋コンクリート基礎、無筋コンクリート基礎、玉石基礎)
・外壁材
・建物短辺の長さ(6m未満、4m未満)
・外部の劣化診断(屋根、樋、外壁、バルコニー)
・建物重量 - 内部調査
・内壁下地材
・筋交い
・開口部形状
・柱
・内部の劣化状況 - 小屋根裏・床下
・小屋根(筋交いの位置・向き・厚さ)
・木製筋交い接合部
・柱頭・柱脚接合部
・床下
■耐震補強
耐震診断により評点が出ます。その後、必要に応じて補強工事をしておくと、倒壊の危険性が少なくなります。耐震補強の方法はいくつかありますが、一部を紹介します。- 壁の量・バランスの良い配置
耐力壁の配置のバランスが悪いと、地震時に建物がねじれて倒壊する危険性があります。 - 接合部の金物補強
壁や柱、梁、土台の接合部がしっかり固定されていないと、地震の際に柱が抜けたり、土台が外れてしまうことがあります。 - 基礎の補修・補強
既存の基礎が無筋コンクリート基礎の場合は、鉄筋コンクリート基礎を足します。 - 屋根の軽量化
地震時には、重い建物ほど大きな力が働きます。屋根を軽量化することで耐震性が向上します。 - 腐朽・蟻害への対応(補修・補強・部材の交換)